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蔵前 「広重　名所江戸百景」から「浅草川首尾の松御厩河岸」 首尾の松は、分間江戸大絵図にも描かれているが、浅草御蔵の中央の埠頭に立つ名木とされる。 このあたりは御厩河岸と呼ばれ渡し舟もあった。現在は蔵前橋が架橋され春日通りが渡る。 首尾の松の「首尾」とは、上流にある吉原の昨夜の首尾を語ったことから来ているともいう。 この絵の前景に屋形船があるが、御簾が降り、二組の下駄が脱いであることから、ここでの首尾をも暗示させる。 「広重　名所江戸百景」から「御厩河岸」 御厩河岸の渡しが夜鷹を乗せてきた。元禄年間までは将軍の馬屋があったことからついた名である。 ほぼ同じ場所を渡す厩橋は明治七(1874)年に木造橋が架けられ、のちに明治二十六(1893)年にそこから少し上流に鉄橋が架けられた。