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「広重 名所江戸百景」から「増上寺塔赤羽根」 |
上野寛永寺が幕府の公的な祈願寺なのに対し、芝増上寺は徳川家の私的な菩提寺といえる。この絵は増上寺南端の古川上空を東から西に見ている。中央に赤羽橋が見える。現在は首都高速が画面の大半を占めてしまうかもしれない。画面左の屋敷は筑後久留米21万石・有馬家上屋敷である。高くそびえる火の見櫓は著名で、また屋敷内に6本の幟が見えるが、これは国許から分社した水天宮である。毎月5日の縁日には開放された。明治維新後、赤坂を経て、明治五(1872)年、日本橋蠣殻町に落ち着いた。半蔵門線・水天宮前駅につながる。
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