第三部(3) 千葉県
(旅の構想)
千葉県内の一級河川は主に茨城県との県境となっている利根川以外にはない。だから千葉県内のルート選定には一級水系は役立たない。
日本一巡のルート選定にあたっては、旧国(令制国)を網羅したいとも考えており、
千葉県内のルート選定にはこの基準が重要となる。つまり千葉県は旧国(令制国)では、北から下総、上総、安房の三国から成る。このすべてを網羅したい。
要するに茨城県と隣接する下総、上総、安房の順に巡っていきたい、ということである。
千葉県の地勢的特性から日本の滝百選に該当する滝はないが、重要伝統的建造物保存地区は1箇所、日本百名橋は2箇所ある。
またその他として巡りたい場所も、銚子やその近くの屏風ヶ浦であり、いずれも旧下総国内である。
従って旧上総国、旧安房国のどこを巡るという当てはない。神奈川県を目指すルート上でなにか発見できればよいだろう。
(県内順路の概要と未踏エリア)
最北端の関宿、最東端の犬吠埼、最南端の野島埼を巡り、房総半島の中央部を養老川、夷隅川沿いに縦断するなど充実した順路となった。上総湊までで切り上げ神奈川県に移動したため、そこから千葉市付近までは未踏となった。 もともと下総、上総、安房の三国だった千葉県は明治4(1871)年7月の廃藩置県時は、佐倉藩、久留里藩、大多喜藩など23藩(=23県)から成っており、さらに同年11月の第1次府県統合で、その23藩が新治県、印旛県、木更津県の3県に統合された。それら3県が現在の千葉県の母体となっている。このような複雑な経緯を持つ千葉県の圏域区分は、1900年より以前の理解が不可欠と考え、他県とは異なり明治11(1878)年の段階から振り返った。
郡域を指標とする県域区分 | 主な自治体 | 「日本一巡」順路 |
郡区町村編制法 (1878年11月) | 郡再編後 (1900年4月) |
下総国 |
B:東葛飾郡 | | 東葛飾郡 | 市川市 | 関宿 川間 常盤平 |
C:南相馬郡 | 我孫子市 | (未踏) |
A:千葉郡 | 千葉郡 | 千葉市 | 八千代 |
D:印旛郡 | 印旛郡 | 佐倉市 | 佐倉 |
E:下埴生郡 | 成田市(新勝寺周辺) | 成田 |
F:香取郡 | 香取郡 | 香取市(旧・佐原市など) | 佐原 |
G:海上郡 | 海上郡 | 銚子市 | 波崎 銚子 |
H:匝瑳郡 | 匝瑳郡 | 匝瑳市(旧・八日市場市など) | 九十九里 |
上総国 |
I:武射郡 | 山武郡 | 山武市(旧・成東町など) | 九十九里 |
J:山辺郡 | 東金市 | 東金 |
K:長柄郡 | 長生郡 | 茂原市 | 上総鶴舞 |
L:上埴生郡 | 長南町 | (未踏) |
N:市原郡 | 市原郡 | 市原市 | 上総鶴舞 養老川 |
M:夷隅郡 | 夷隅郡 | 勝浦市、大多喜町 | 大多喜 勝浦 |
安房国 |
U:長狭郡 | 安房郡 | 鴨川市 | 鴨川 |
T:朝夷郡 | 旧・千倉町 | 和田浦 野島埼 |
S:安房郡 | 館山市 | 洲崎 館山 |
R:平郡 | 鋸南町 | 館山 |
上総国 |
Q:天羽郡 | 君津郡 | 富津市 | 鋸山 |
O:望陀郡 | 木更津市 | (未踏) |
P:周淮郡 | 君津市 | (未踏) |
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※郡域については、ISIDA Satosi さまの地理データ集から『郡の変遷』を、全面的に参考にさせていただきました。お礼申し上げます。
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