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【地球表面の分割】 球の表面を扱いながら、なるべく等積で、なるべく理解しやすいメッシュマップを考えたい。 cos(60度)=0.5であることから、緯度0度でのメッシュに比べて、緯度60度のメッシュは経度で2倍分のメッシュを割り振ると経度方向では同じ長さになり、ほぼ等積とみなせるであろう。 つまり緯度0度でのメッシュを緯度方向20度分(北緯10度から南緯10度)、経度方向20度分を1メッシュとすると、緯度60度でのメッシュは緯度方向20度分(北緯70度から北緯50度、または南緯50度から南緯70度)、経度方向40度分を1メッシュとすれば、それぞれのメッシュはほぼ等積であることが期待できるであろう。 そのほかの緯度帯については、厳密に等積であろうとすると、経度360度で割り切れなくなるので、それぞれ経度方向で割り当てるものを以下のとおりとする。
緯度方向の基点を赤道なり極点に置くことは異論の余地はないであろうが、経度方向の基点をどこに置くかは多分に恣意的に設定せざるを得ない。 とはいえ大西洋中央部の西経25度に基点を置くことが、最も異論が少ないものとみなし、欧州を中央に置くよくある地図を意識して得たものが、以下に示す102個のメッシュから成る[a global mesh]である。 【メッシュの名前】 こうして画定した各メッシュに対して便宜上名前をつける必要がある。 大きく南北アメリカ州、欧州・アフリカ、アジア太平洋として把握することが便宜的に理解しやすいと思われたので、経度120度を大きな単位として最初の階層とし、それぞれA、B、Cの文字を割り当てた。 次いで、各緯度帯ごとに経度方向の発生メッシュ数が異なるので、経度帯を2番目の階層とし、北から南に1から9を採番した。 最後に各緯度帯ごとに西から東に1から発生するメッシュ分採番することとした。
【[a global mesh]を使ってなにをしたいのか】 世界や国際関係を論じるとき、明示的であれ暗示的であれ、国家を前提にせざるを得ないように思える。 それだけでいいのだろうか。もう少しフラットに語れるフレームがないのだろうか、という発想からメッシュマップを思いついた。 もちろん世界大の議論のときに国家以外を「主体」としてみなすことは少なく、国家viewの見方と相補的になるのであろうが、 国家をなるべく相対化してみてみたい、という基本的な立場が私にはあるので、そのための視点を考えたい、というものである。 国家の一段下の単位、日本の県、アメリカの州、中国の省などを、各国家に関連付けないで、各メッシュに関連づけて集計するほうが 国家間の比較をするよりも、案外地域性がより際立つ部分も多いのではないか、と期待しているところを発想の原点としている。 【国家の一段下の単位について】 ISO3166-2を活用しようと考えた。 Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/ISO_3166)に拠れば、「ISO 3166は、国際標準化機構 (ISO) が国名およびそれに準ずる区域、都道府県や州といった地域のために割り振った地理情報の符号化である。」とされ、 「ISO 3166-1は、1974年に初めて公表された国名コード(JISではJIS X 0304の国名コード) 」 「ISO 3166-2は、都道府県や州といった、地域コード(JISではJIS X 0401の都道府県コードなどに対応) 」 であり、網羅性の点で、このISO3166-2と[a global mesh]とを関連づけたい。 さらにISO3166-2は、別のページ(http://ja.wikipedia.org/wiki/ISO_3166-2)に拠れば、 「ISO 3166-2はハイフンで分けられた2つの部分からなっている。前半部は、ISO 3166-1 alpha-2の2桁の国名コードであり、後半部は、2〜3桁のラテン文字或いは数字である。後半部は、当該国の国内標準に準じていることが多い。日本の場合、全国地方公共団体コードが用いられている。」とされ、 例えば、東京都はISO 3166-2:JPにおけるJP-13、ニューヨーク州はISO 3166-2:USにおけるUS-NY 、北京市はISO 3166-2:CNにおけるCN-11 として定義される。 【[a global mesh]とISO3166-2との関係付けの手順】 まずは、ISO3166-1、つまり国家レベルで[a global mesh]との関係付けを整理する。 但し、以下の6カ国+2地域は明らかに複数のメッシュにまたがるので、当初よりISO3166-2、つまり州レベルで関連付けた。 AU オーストラリア BR ブラジル CA カナダ CN 中国 RU ロシア US アメリカ AQ 南極 UM 合衆国領有小離島 複数メッシュにその領域がまたがるものは、上の6カ国+2地域を除いて86か国(地域)存在した。以下の13か国は便宜的にメッシュ使用にあたって、影響が大きいと判断し、ISO3166-2レベルで関連付けることとした。 MX メキシコ AR アルゼンチン CL チリ DE ドイツ UA ウクライナ FR フランス IR イラン PK パキスタン IN インド AO アンゴラ ZA 南アフリカ PH フィリピン ID インドネシア ちなみに日本もその国土は複数メッシュにまたがる。C32のメッシュにその多くの部分が含まれるが、C42に沖縄県と奄美諸島が、C43に小笠原諸島が含まれる。本来はすべての国及び地域を対象にISO3166-2レベルで関連付けるべきであろうが、第一次リリースとしては、これまで述べた範囲で作成することとした。 【補足・システム論からの考察】 ・システムは要素と全体から成る。 ・社会システムは、主体(=要素)と社会(=全体)から成る。 ・世界システムでは、主体性を最も発揮しているのは、国家と言えるだろう。 ・しかし、国家だけをアクターと見なして、何がしかの結論を求めることは、その議論の結果に対する信頼度を低めている可能性がある。 ・世界システムの主体としては、いわゆる多国籍企業だとか、ある種の標準化団体とか、いわゆる少数民族などの存在は既に意識されており、また主体の影響力という量的な面でも大規模自治体の財政は、小国のそれを遥かに凌駕していたりするぐらいだ。 ・ただ国家でない主体について、なにを、どこまで考慮しなければならないかについて、際限なく追究し、その結果、その議論の結果が得られないこともまた問題であろう。 ・結局は、議論、あるいは議論の特性に応じた「基準」を個々に設定し、語る以外に方法が見当たらない。 ・さて、今回取り上げたい「基準」は「地球大のメッシュマップ」である。 ・ある種の問題について、地球大の問題について国家だけを要素として語るのでなく、「地球大のメッシュマップ」での知見を加えて議論することで、その結論の信頼度を上げられないか、ということである。 ・国家だけを要素とするのでなく、「地球大のメッシュマップ」を導入することで、地域の把握の仕方が二通り考えられる。 ・国家だけが要素の場合、軍隊式で階層性の明瞭な、地球−国家−地域という把握となり、この把握は議論の余地なく自明である。 ・一方、「地球大のメッシュマップ」を導入すると、まずは二種類、疑問が出てくる。 ・(1)部分システムは全体システムから見て要素(主体)とみなせるか。 ・(2)個別要素の全体システム、部分システムの両属性はあるのか。 (以下、書きかけの部品) ・このページの管理人の一貫した関心は、国家の限界というか、境界というか、そんなところにある。 ・国家と世界 ・地域、地縁世界は、世界大の視座では、主体とはみなせないであろう。 【地図描画について】 使用している地図は「PTOLEMY」Ver2.61を使用して作成しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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